SAP BWは、データウェアハウスとデータウェアハウスのマネジメントアプリケーションが一体となったソフトウェアです。
データベースには、OracleやSQL Serverなどのデータベースが利用できますが、SAP BWがシステムDBとして利用するので
自分でテーブルを作ったりすることはできません。
今回は、SAP BWで使用される各データ格納コンポーネントの説明と、データウェアハウスアーキテクチャである、インモンモデルとキンボールモデルを利用した
場合にどのように使用できるかを説明したいと思います。
各コンポーネントの説明
SAP BWには、様々なデータオブジェクトがありますが、ここでは、データウェアハウスに利用する主にもののみ説明します。
・PSA(Persistant Staging Area)
PSAはソースシステムからデータを取得する際に利用するステージングエリアです。
・DSO(Data Store Object)
DSOは、通常のデータウェアハウスで利用するデータベースにあたる部分です。ソースシステムから集出したデータを格納します。
・InfoCube
InfoCubeは名前からわかるようにキューブです。
MultiProvider
・MultiProviderは複数のInfoCubeを仮想的に1つにまとめることができます。いわゆるドリルスルーというテクニックです。
インモンモデルでの利用
では、実際のアーキテクチャモデルの利用を考えてみたいと思います。
インモンが提唱したエンタープライズモデルでは、セントラルデータウェアハウスといわれる正規化したデータベースにすべてのデータを格納し、
そこから各部門が必要とするデータをディメンショナルモデルで構築されたデータマートとして抽出し、各レポートがデータマートにアクセスするかたちとなります。
その場合、
ソースシステムからのデータ抽出→PSA
セントラルデータベース→DSO
データマート→InfoCube
といった利用になります。
キンボールモデルでの利用
キンボールモデルでは、ディメンショナルモデルで構築されたそれぞれのスタースキーマがリンクされたものがデータウェアハウスとなります。
インモンでのセントラルデータベースはステージングエリアに格納されることになります。
その場合、
ソースシステムからのデータ抽出→PSA
ステージングエリア→DSO
スタースキーマ→InfoCube
といった利用になります。
上記は、あくまで例ですので、他にもさまざまに組み合わせがあると思います。
さて、最後に1点注意ですが、どちらのモデルを採用するにせよ、レポートはInfoCubeにアクセスしたほうが良いと思います。
SAP BWで提供しているレポーティングツールはDSOにもアクセスできるのですが、パフォーマンスやデータの特性上、InfoCubeのみに
アクセスさせたほうがよいと思います。
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